屋根塗装で雨漏りは解決しない?それでも必要な理由

雨漏りは建物を傷める原因の一つです。
発覚すると、思いがけず大きな修繕費がかかるのも特徴で、目に見えるような水シミや水滴が落ちてくる状態にならないと、ほとんど気づけません。そしてその時点ですでに、深刻な状態になっていることもよくあります。
この雨漏り、屋根塗装をすれば防げるのでしょうか。

今回は屋根塗装と雨漏りの関係について、ご紹介したいと思います。
雨漏りしてきたから、と屋根塗装を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

■屋根塗装では雨漏りを直せない

よく誤解されますが、屋根塗装をすることですでに起こっている雨漏りを直したり、将来起こる雨漏りを完全に防ぐことはできません。
雨漏りの原因としては、屋根材の割れや屋根材の下にある防水シート・野地板の破損などが主に考えられますが、これらの破損を塗料でカバーして直すのは不可能です。表面を直しても、内部がすでに傷んでいれば直ったことにはなりません。したがって、雨漏りが起こって頼るべきなのは、屋根屋さんや雨漏り修理を行っているお店、ほかに板金屋さんです。

しかし、どのサイトでも屋根塗装はしたほうがいい、という意見が見られます。
屋根塗装の意義とはなんでしょうか。

■屋根塗装の役割とは

屋根塗装の役割とはいったいなんでしょうか。

・雨漏りのリスクが低減する
雨漏りを完全に防ぐことはできませんが、今後起こるだろう雨漏りのリスクを低くすることはできます。
屋根材を傘に例えると、使い続けるうちに水を吸うようになったので、防水スプレーをかけてまた使うようなもの。
スレート屋根は防水加工が表面に施されていますが、紫外線や雨による経年劣化で徐々に防水効果がなくなっていきます。そうなると、水を吸うようになり劣化が進んでしまうでしょう。
水に強いとされるガルバリウム屋根も、メッキ部分が剥がれると金属鋼板が露出して、すぐにサビます。サビが深刻になると穴が空いたり、脆くなって飛来物や強風などの力に負けてしまうことに。金属屋根はサビという弱点がついて回るので、傷む前に塗装しておくことが大事です。
屋根材の劣化は自然なものなので止められませんが、塗装で歯止めをかけることはできるので、雨漏り対策としての意義はあると言えます。

・見た目をきれいにする
屋根は時間がたつと、どうしても見た目が悪くなってしまいます。
瓦以外だと、防水性が落ちてしまうので、汚れが雨水で流れにくくなり、じめじめした環境であればカビやコケが生えます。
ほかに金属屋根のトタンは、メッキとして使われる亜鉛が先にサビることで中の鉄を守る化学反応を利用した構造です。年月がたてばほとんどサビてくるでしょう。
屋根塗装はこのような汚れを落として塗装を行うので、サビも起きにくくきれいな外観にすることができます。
建物の売却には見た目が重要になることも少なくないので、いずれ手放す予定でもやって損はないでしょう。

・機能性を付加する
塗料には防水だけでなく、遮熱性や断熱性という便利な機能を持つものも多いです。
遮熱性塗料を使うと、表面温度の上昇を抑えられることから夏場の室内を快適に過ごせるなどのメリットがあるでしょう。
遮熱性塗料は使うと省エネとみなされることから、申請すれば自治体から補助金・助成金をもらえることもあります。このような塗料は高額であることがほとんどなので、これらの制度を使えばお得に工事ができるかもしれません。

・保証期限が切れるため、葺き替えまで長持ちさせる
屋根材メーカーのケイミューは、自社商品のカラーベスト(スレート)の保証期限を10年としています。
「10年以内は間違いなく大丈夫」としていますが、それ以降の不具合については責任を取りかねる、ということなのですね。しかし、粘土瓦を除いた屋根の耐久年数はおよそ30年ほどです。
保証の切れる10年目と葺き替え工事のタイミングである30年目の間には、20年という長い月日があります。この間放って置いても何も起こらない、とは言えません。長く使うにはタイミングごとのメンテナンスが必要でしょう。
よく10年目が塗装の目安としているのは、このような理由も考えられます。

■火災保険が使えることもある

屋根は建物の一部なので、自然災害などのによって破損が生じれば、火災保険がおります。
実は、この火災保険を使って、屋根塗装ができる場合があります。
条件さえ合えば、破損した屋根の修理と合わせて行えるのでお得でしょう。

たとえば台風が発生して屋根材が壊れたり、それが原因で雨漏りが発生したりしているなら、十分火災保険の補償対象に含まれます。
もし、雨漏りに困っている状態なら、一度信頼できる業者に調査をお願いしてみるといいかもしれません。
すでに修理工事をしてしまっていて、まだ申請していないということなら、被害を受けて3年以内なら受け付けてくれるでしょう。

ここで注意したいのは、屋根塗装のみでは適用外になりやすいということです。
先に述べた通り、屋根塗装では雨漏りや破損を根本から直せません。
あくまで、屋根塗装は屋根修理に付随するものなので、屋根塗装だけでは保険はおりないでしょう。
また、経年劣化による屋根の破損は対象外になります。

■屋根塗装の施工不良に注意

スレート屋根に限りますが、屋根塗装をすると逆に雨漏りを起こしてしまうケースがあります。
このケースは、経験や正しい知識のない職人によって引き起こされることが多く、まさに不意打ちになるでしょう。
どうしてそのようなことが起こってしまうのでしょうか。

屋根は構造として、人間だと傘を差したうえで雨ガッパを着ているような状態に近く、防水が二重になっています。屋根材の下には防水シートがありますので、雨水が屋根材の下に入り込んでも防水シートの上を流れて水切りする構造です。
スレート屋根は屋根材の重なりにわざと隙間を使って施工します。これにより通気・排水ができるため、防水シートとスレートの隙間に水が入っても、問題ありません。

しかしそのスレート屋根の上から塗料を塗ると、わざと開けていた隙間が塗料で閉じられるため、水が溜まりやすい環境に。
それが雨漏りにつながってしまいます。
この事態を防ぐため、多くの施工業者がスレートの重なり部分にタスペーサーという器具を噛ませています。
縁切りとよばれる方法ですが、これで隙間が塗料で埋まることがなく、通気性を確保した状態を保てるのです。
場合によっては十分な隙間があってタスペーサーが必要ない時もありますが、その見極めができるかどうかは職人にかかっているでしょう。

スレート屋根のお家をお持ちでしたら、塗装会社・塗装店を選ぶ際に注意していただければと思います。

■屋根塗装に適さない屋根

屋根塗装をするには適さない屋根もあります。
このような屋根は、塗装よりも葺き替え工事か重ね葺き工事をしたほうがいいでしょう。

・ノンアスベストのスレート
健康被害が問題になるまで、スレート屋根にはアスベスト(石綿)を使用していました。
全面的に禁止されたことから、ノンアスベストのスレートが生産されることになりましたが、このスレートは今まで強度を加えていたアスベストがなくなったことから、脆弱になってしまったのです。
そのため、このスレートを使用して1996~2008年ごろに建てたお家だと、屋根塗装ではなく葺き替えを行ったほうがいいかもしれません。
屋根塗装ではどうしても屋根材を踏まなければならないので、それを原因として割れてしまうことも考えられます。

・すでに雨漏りが起きている
雨漏りがすでに起きている屋根も、屋根塗装はしないほうがいいでしょう。
雨漏りの解決になることはないので、どちらかと言えば屋根の補修作業が必要になります。
また、経年劣化による雨漏りであれば、屋根の寿命とも考えられますので、葺き替え工事をしたほうが経済的です。時間がたてばほぼ等しく屋根全体がダメージを負っていると考えるのが自然なので、雨漏りを起こしている場所が一つとは限らないからです。

■まとめ

屋根塗装で雨漏りを解決することはできませんが、事前に行うことで避けられるものは多いでしょう。
粘土瓦以外の屋根でしたら、検討することをオススメします。

弊社は大分市を中心に、大分県内にて各種塗装工事を承っております。
屋根塗装のほか外壁塗装も行っておりますので、築10年ほどを迎えた建物をお持ちでしたら、お気軽にお見積りをご依頼ください。
また、戸建て住宅以外にも集合住宅の塗装工事も承っておりますので、大規模修繕工事のタイミングでしたらぜひ私たちにお任せください!

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